自己紹介 フィリピンから来ました横浜国立大学都市科学部のフランシス・オーウェンと申します。 大学では主にビジネス経営学を研究しています。兄の影響で日本文化に興味を持ち、横浜で学ぶことを決めました。 横浜はフィリピンに比べて物価が高いと感じますが、文化もお互いに似ているところがあるので、暮らしやすくて、親しみを感じています。 保土ケ谷区についての感想 これまで、保土ケ谷区役所が参加支援をしてくれた「常盤台地区の納涼盆踊り」、「新桜ケ丘地区の昔あそびのつどい」、「ほどがや歴史まち歩き」等のイベントに参加し、たくさんの日本文化を体験することができました。いずれも他では経験できない貴重な体験でした。 私たち留学生に対しても、地域の皆さんが温かく受け入れてくださり、感謝しています。 フィリピン共和国とマニラ市の紹介 フィリピンは西太平洋に位置する東南アジアの国で7000以上の島々があります。国全体の人口は約1億人で、公用語はフィリピノ語と英語です。(地方で話されている言語は約80の言語があります。)首都はマニラで、マニラ首都圏の人口は約1300万人ほどです。1965年7月にマニラ市と横浜市は姉妹都市協定を締結し、今年55周年※を迎えています。 マニラ市には観光スポットがたくさんあります。私が一番おススメしたい場所は「イントラムロス」というマニラ市内最古の地区です。16世紀、スペイン統治時代に作られた高い壁と塀に囲まれた要塞で、この地区には数多くの歴史的建造物があります。中でも、世界遺産にも登録されている「サン・アグスチン教会」は必見です!1607年に完成して以来、数多くの地震や第二次世界大戦の戦火等に耐え、当時のままの姿で現存する国内最古の石造りの教会です。 このほか、市内中心部には国立人類学博物館や自然史博物館、現代美術館が隣接していて国内の貴重なコレクションや国際的にも有名な画家であるファン・ルナの名作も見ることができます。また、横浜市と似ていますが、マニラ・ビリンド地区には国内最大の中華街があり、安価でおいしい中華料理を楽しめます。そして、市民の憩いの場である国立リサール公園では、家族や友人とピクニックに出かけ、夕日を眺めて過ごします。園内には日本庭園もあります。 フィリピン共和国の伝統文化 フィリピンではスポーツはバスケットボールとボクシングが人気で、街中あらゆるところでバスケットコートを目にします。ボクシングについては、人気のボクサーの試合がテレビ中継される日には家庭で試合観戦をするためか、街から人の姿がいなくなります。 そして、フィリピンを語る上で欠かせないのが家族との絆です。日本も同様ですが、フィリピンでは家族を一番に考え、クリスマスや祝日は必ずと言っていいほど家族が一緒に過ごします。また、歌うことが大好きで、日本と同様カラオケによく行きます! 宗教については人口の8割~9割がキリスト教徒です。そのため、街の至る所に教会があり、クリスマスに関しては、9月~1月までの長期間、国中でお祝いをします。 フィリピンの料理文化 フィリピン、特にマニラ首都圏では伝統的なフィリピン料理、中華料理やマレー料理が融合された独特の料理のほか、スペイン料理やアメリカンフードなど、多国籍料理が食べられています。私のおススメは「タプシログ」というフィリピンの定番の朝ごはんです。醤油に似たソースに漬けた後に焼いた牛肉、目玉焼き、炒めたガーリックライスがワンプレートになっていて、スタミナ満点!また、定番のデザート「ハロハロ」も絶品です。ルーツは日本の「かき氷」とも言われていて、細かく砕いた氷の上に果物やアイスクリーム、甘く煮詰めた豆や芋、お米の加工品を乗せて、一日の終わりに、特に夏の暑い晩に、食べたら最高です! 横浜市とマニラ市で似ているところ いずれも世界を代表する大きな港町で、人口が多く、長い歴史ある街という点が共通しています。特に、「国内最大級の中華街」があることが、私にはマニラ市と似ていて、横浜に親しみを持てる理由なのかもしれません。いつも感じていることですが、横浜市内の交通機関は外国人にも使いやすくて便利で素晴らしいです。 保土ケ谷区で、今後どんな経験をしていきたいですか 区民の皆さんと今後も交流していける機会があると嬉しいです。私が得意なタガログ語教室やフィリピン料理教室等、フィリピンの文化に興味を持っていただけるような企画ができれば、ぜひチャレンジしてみたいです! こちらの記事は、留学生が英文で記載した原稿を区で翻訳し、編集しています。 ※2020(令和2)年は、マニラをはじめ、ムンバイ、オデッサ、バンクーバーとの姉妹都市提携55周年です。横浜市は半世紀以上にわたって、市民の皆様と一緒に、各都市との友好を深めてきました。